世界が認めた和食の魅力！ユネスコ無形文化遺産になった理由とは？

日本の食べ物は、世界中で人気があります。寿司やラーメン、天ぷらやお好み焼きなど、多彩で繊細な味わいの料理が魅力です。しかし、日本の食べ物は、ただ美味しいだけではありません。日本の食文化は、自然との調和や季節の移ろい、家族や地域の絆など、日本人の価値観や生活様式を反映しています。そのため、2013年には、ユネスコの無形文化遺産に「和食；日本人の伝統的な食文化」として登録されました。この記事では、日本の食べ物が世界一美味しいと言われる理由と、日本料理がユネスコ無形文化遺産に登録された背景について、詳しく解説します。

日本の食べ物が美味しい理由
日本料理がユネスコ無形文化遺産に登録された背景
1. 1. 日本の伝統的な食文化としての評価
2. 2. 失われつつある日本の伝統的な和食文化を保護すること
日本の食べ物と食文化を楽しむために

日本の食べ物が美味しい理由

日本の食べ物が美味しいと言われる理由は、いくつかあります。ここでは、代表的なものを3つ紹介します。

1. 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重

日本は、南北に長く、海に囲まれた島国です。そのため、各地で様々な食材がとれます。海では、魚介類や海藻、山では、野菜やキノコ、里では、米や果物など、豊富な種類の食材があります。また、四季がはっきりしているので、旬の食材が楽しめます。日本の料理人は、これらの食材の味わいを活かすために、素材に合わせた調理法や調味料を使います。例えば、魚は、刺身や煮付け、焼き魚など、鮮度や大きさによって調理法を変えます。また、醤油や味噌、酢、塩など、シンプルな調味料で、素材の風味を引き出します。日本の料理人は、食材の持ち味を尊重することで、美味しい料理を作ります。

2. 健康的な食生活を支える栄養バランス

日本の食事は、一汁三菜を基本としています。これは、ご飯と汁物、主菜と副菜を合わせたものです。主菜は、魚や肉、豆腐などのタンパク質が中心で、副菜は、野菜や海藻、きのこなどのビタミンやミネラルが豊富なものです。汁物は、味噌汁やすまし汁など、水分と塩分を補給するものです。ご飯は、炭水化物としてエネルギー源になります。このように、日本の食事は、バランスの良い栄養素を摂取できます。また、日本の料理は、動物性油脂の少ないものが多く、野菜や海藻などの食物繊維も多く含まれます。これは、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。

3. 自然の美しさや季節の移ろいの表現

日本の料理は、見た目も美しいものが多いです。これは、自然の美しさや季節の移ろいを表現するためです。例えば、春は、桜や菜の花などの花を模した料理や、新芽や若菜などの緑色の食材を使った料理があります。夏は、涼しげな色や形の料理や、冷たい料理があります。秋は、紅葉や柿などの赤や黄色の料理や、栗やさつまいもなどの旬の食材を使った料理があります。冬は、雪や氷をイメージした白い料理や、鍋やおでんなどの温かい料理があります。また、料理を盛り付ける器や食卓に飾る調度品も、季節に合わせて変えます。これは、季節感を楽しむとともに、食欲をそそる工夫です。

日本料理がユネスコ無形文化遺産に登録された背景

日本料理がユネスコ無形文化遺産に登録された背景には、いくつかの要因があります。ここでは、代表的なものを2つ紹介します。

1. 日本の伝統的な食文化としての評価

ユネスコの無形文化遺産とは、芸能や伝統工芸技術などの形のない文化であって、土地の歴史や生活風習などと密接に関わっているもののことです。日本の食文化は、自然との調和や季節の移ろい、家族や地域の絆など、日本人の価値観や生活様式を反映しています。そのため、日本の伝統的な食文化として、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。登録されたのは、「和食；日本人の伝統的な食文化」という名称で、前述した日本の食べ物が美味しい理由と同じ4つの特徴が挙げられています。日本の食文化は、美味しさだけでなく、文化的な価値も高いと認められたのです。

2. 失われつつある日本の伝統的な和食文化を保護すること

日本の食文化は、近年、多くの変化に直面しています。例えば、グローバル化やライフスタイルの多様化によって、日本人の食事にも外国の料理やファーストフードなどが増えています。また、核家族化や単身化によって、家庭での食事の回数や時間が減っています。さらに、食品の安全性や環境問題にも関心が高まっています。これらの変化は、日本の伝統的な和食文化を脅かしています。日本の食文化は、長い歴史の中で培われたものであり、日本人のアイデンティティや文化遺産の一部です。そのため、日本料理がユネスコ無形文化遺産に登録されたことは、日本の食文化を保護し、次世代に伝えることの重要性を示すものです。

では、どのようにして日本の食文化を保護し、継承することができるのでしょうか。ここでは、実際に行われているいくつかの取り組みを紹介します。

文化庁では、和食文化の保護・継承活動を促進するために、様々な支援や情報発信を行っています。例えば、和食文化に関するセミナーや体験イベントの開催、和食文化に精通した専門家のインタビューの公開、和食文化の保護・継承に関する事例集の作成などです。
農林水産省では、地域の伝統的な食文化の保護・継承のための手引きを作成し、公開しています。この手引きでは、地域の食文化の特徴や価値の把握、地域の食文化の継承者や後継者の育成、地域の食文化の活用や発信などの方法や事例が紹介されています。
地方自治体や民間団体では、各地の食文化に関する調査や研究、教育や普及活動、イベントやフェスティバルの開催などを行っています。例えば、京都府では、京料理の伝統や技術を体験できるイベントを開催しています。また、和食文化国民会議では、和食文化の普及や啓発、和食文化に関する資料の収集や保存などを行っています。
海外では、日本の食文化に関心が高まっており、日本食レストランや日本食教室などが増えています。また、日本の食文化を紹介する展示会やイベントも開催されています。例えば、2015年には、ミラノ国際博覧会で、日本の食文化をテーマにしたパビリオンが出展されました。また、2018年には、伊勢志摩サミットで、和食を提供することで、日本の食文化を世界に発信しました。